KAGRA のレーザー干渉計

KAGRA は100Wの近赤外線レーザーを用いた巨大なマイケルソン干渉計で、全長3km の腕を2本もちます。各腕には冷却された鏡2枚が3km 離れて設置され、ファブリ・ペロー光共振器と呼ばれる合わせ鏡になっています。この合わせ鏡の間にレーザーの光子を捉えて光量を増強し、重力波への感度を高めます。

この干渉計は、実は、鏡や光路長のなどのどんなゆらぎも偽の重力波信号(ノイズ)に変換してしまいます。そこで光学部品を防振したうえ、光路全体を真空槽に入れて、空気による擾乱を防いでいます。さらに、ファブリ・ペロー光共振器を構成する鏡(インプットテストマスとエンドテストマス)は、熱雑音を減らすために20K にまで冷やします。このような工夫を積み重ねることで、KAGRA のノイズは100Hz において10-24 strain/ √Hz程度にまで到達することになります。

重力波天文学が開く宇宙の新しい窓

20世紀の初め、アインシュタインは、一般相対性理論という新しいパラダイムを提唱しました。彼の理論によれば、重力とは時空のゆがみによって発生します。彼はまた、運動する物体は自身の周囲の時空をかき乱し、時空のさざ波を作り出すと予言しました。このさざ波を重力波と呼んでいます。重力波はとても小さく、普段はそれを実感できません。その代わり、天文学のツールとして重力波を使うと、激しい天体現象のうち電磁波によって観測できるよりもより深い部分、たとえば超新星爆発の中心部やブラックホールの誕生の様子、連星の衝突合体の様子などを観測できます。そしてこれらは宇宙の新しい姿を見せてくれるでしょう。

 

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